別荘は広く客室が10部屋程あり、各自1人ずつ部屋が分けられていた。

私は端の部屋で、その隣が菜月さん、課長。
私の部屋の前は理人君、天海さん、中嶋さんだった。

「俺、二人部屋で優那ちゃんと一緒かと思った。」

「私も…」

「へぇ奇遇ですね。皆さん同じなんて…」

はい?
菜月さん以外 おかしな部屋割りじゃない?

私は ややこしくなる前に 1人部屋で良かったと 隠れてため息をついていた。

「10分後に、1階の客間に集合って言ってたっけ?」

コンコンとドアを叩く人がいる。開けると 課長が ニヤリ笑いながら

「優那の部屋は可愛いな。」

と部屋を覗きながら言う。

「え?課長の部屋は こことは違うの?」

「見に来る?」

興味があるので、着いて行くと…部屋の前からに理人君が出て来る所だった。

「優那ちゃん何処に行くの?」

「課長の部屋と私の部屋が違うらしいから見に行く所だよ。」

「この別荘はね、タイプの違う客室になっているから、10パターンあるよ。後で僕の所のも見に来てよ。待ってるね。」

「うん、わかった…」

「チッ。なぁ優那、まさか後で神谷の所に行くつもり?」

怖い顔の課長が私を見ていたので 私は固まってしまった。