陸の漁り火

 あいつは青い光とは言わず、青い炎と言ったことに──それに気付いたときには、俺はすでに廃屋の扉を開いていた。

 暗闇のなか、青白い影が俺を手招きする。

 その後ろには、あいつがいた。

「なあ。なんでお前は選ばれたの?」

[さあ……。ただ、青い炎が選んだからだと言われたよ]

「そうか」

 おまえも選ばれたんだよ。

 そんな声が聞こえて、俺は深淵に墜ちた。


 ──今日も、誰かがあの家に足を踏み入れる。

 誰が弾かれて、誰が選ばれるのか。

 それは誰にも解らない。


 きっと、ゆらゆらと揺れるあの青い炎だけが知っている。