外は風がやけに強い。 暴れる髪を押さえながら、私は桜井を見た。 昔を思い出すような目にドキリとする。 まだ話すのをためらっているのか、それとも考えているのか、桜井はなかなか話さない。 やがて、決心したように口を開いた。 「俺の…昔話なんだけど…」 私を見ながら、桜井は話始めた。