対照的だと思ってた

「本当になんもしなくていいからね!!」


昼休み中、二人に念を押しておく。


日菜と梨華ならなにかやらかすかもしれない…。


「はいはい。えるの初恋だもんね〜」


「え!!小、中とたくさんの男子に会ってきたのに!まじか、える」


初恋、の言葉に梨華が箸を止め反応した。


わたしも食べていたパンを置く。


「ちょ、まだそうゆう恋とかわかんないし…」


言っていて、わたしが恥ずかしい。


初恋ってなに…!?恋ってなに!!


「える、顔やばいぞ」


びしっと日菜の強烈なデコピンがおでこにヒットした。


「えるはさ、考えすぎなんだよ。もっと成り行きってか、ふんわりいこーよ」


ふんわりって…。


「そうそう!日菜の言う通り!形はないんだよ!」


「へぇぇ〜……」


もっとわかんなくなってきた…。


まぁ、なんとなくでいいのか…。


成り行きね。


そんなもんなのかな。愛とか恋とかって。


本気で好きになったひとなんていないわたしにはわからない。


日菜も梨華も好きだけど、それは恋じゃないし…。


異性をってことはなかった。


付き合ったこともあったけど、愛してはいなかったし、そのひとに恋もしていなかった。


でも真宮をって…。


なんで、好きなんだろう…。






「なんだろう…」







「え?」


え!!


声のした方を見ると真宮が。


あ、そうだった。


昼休み後に二人で呼び出されて、昨日日直をサボった罰として反省文を書かされていたんだ。


放課後の薄暗い教室に二人。


「西嶺、もう終ったの?」


「いや…、ちょうど半分行ったところ…」


内容は薄っぺらいけど許してほしい。


真宮を見るとペンが止まったまま、考え込んでいた。


作文用紙を見ると半分も進んでいない。


「半分も、何書くことがあるんだよ…」


「えぇ、もうしませんとか…」


わたしも必死に考えて書き進めていく。


「もうしませんって、ありきたり」


フッと笑われた。


「仕方ないじゃん!本当に反省してないのに書くことなんてないのー」


「それは同感」


適当に書けば、なんとか終わった。


ノルマぎりぎりではあるけど…。


「やっと終わったぁー」


手が疲れた。


それでもマスを埋めれた達成感はある。


「え、もう?はやっ…」


「のんびり書けばー?待っててあげる」


一緒に帰りたいなー、なんて思って言ったけど上から目線…。


かわいくない!


「じゃあ頑張って書くから。バイトないの?」


「そう。今日は休み」


昨日でちょうど一週間連勤なんだよね。


夜の長い仕事だから余計疲れる!


そうして10分が経った頃、


「おわった」


と言って、用紙を見つめていた。


どんだけ書くことなかったの!


「お疲れ様」


「うん。西嶺もね」


「お、おう」


微かに笑ってくれた気がして嬉しい。


いつも無表情だし、女の子と話しているのなんてあまり見ないからわたしにだけならな、って思ってしまう。


「じゃ、帰ろっか」