対照的だと思ってた

でも、その日は違った。


お父さんもかなり酔っていたみたいでわたしに手を上げた。


「3年にもなって、なに、ほっつき歩いてんだ!」


頬を強く叩かれて、真横に吹っ飛ばされた。


力仕事ばかりしているとあって、強烈だった。


「アンタだって家に帰んないで遊んでんだろ!なんでわたしだけ言うんだよ!!」


わたしも頭に来て、周りの家具を投げたり怒鳴ったり。


お父さんに殴りかかったときは何度も返り討ちにされた。


それでも、自分は良いから、みたいなお父さんに腹が立って仕方なかった。


わたしが投げて割れたガラスのコップの破片が足に刺さった。


「える!怪我もしてるんだし、明日から早く帰って来いよ!」


「うるさい!放っておいて!」


お父さんの言葉なんて聞かないで物を投げつけた。


「もうやめろ、える!」


そう言って腕を抑えつけられて、なぜか泣きそうになった。


「もういい!出てく!」


出掛ける時に持って行くリュックだけを持ち、サンダルで外に飛び出した。


とは言え、日付けが変わる頃に辺りを歩くと警察に補導されてしまう。


もし、補導され家に連絡などされたらどれだけ怒鳴られるか。


そう思うと、人気の多い場所へ行くべきじゃないと思った。


この家の通りなら警察も近寄らないはず。


その時は携帯を持っていなくて、友達と連絡も取れないのでひとりで歩いた。


家出するならとりあえず、家を探さないと…。


今日だけでも泊めてくれる人はいないだろうか。


駅の側まで歩いて、数少ない道行く人に声を掛けて歩いた。


何度も断られ続けたが、ひとり若い男性が泊めてあげると言ってくれた。


「ありがとうございます」


わたしは案内されるがままに男性について行った。