対照的だと思ってた

それからは今、わたしの住むあのマンションでお父さんとふたりで暮らした。


ふたり暮らしを始めてから数回、お母さんとお父さんとわたしの三人で出掛けたこともあった。


年に一度くらいのペースだったけど。


その後、きっとお母さんにも素敵な彼氏ができたのか三人で出掛けることはなくなった。


ちょっと寂しいけど、仕方ない。


わたしを愛してくれていたのは本当だったから。


そんなお母さんが幸せならわたしもそれが幸せだ。


わたしが市立の中学に通うと、お父さんは遊びに行くことが多くなった。


遊びに行かない日も、夜お酒を呑んでいた。


そんなものか、とわたしも見過ごした。


でもひとりは暇で、寂しくてわたしも夜遅くまで友達と遊び回っていた。


そしてお父さんが帰ってくる23時頃に帰宅する。


きっとお父さんも帰っていない。


わたしは自分が駄目な事をしているとは思わなかった。


寂しさを埋めるため、時間を埋めるためだから。


しかし、中学3年生の夏頃のこと。


真っ暗な家に帰ると、リビングが明るかった。


玄関にはお父さんのスニーカーが置いてあった。


「える、遅かったな」


「おかえり、お父さん」


何回かお父さんの方が先に帰っていたことはあった。


わたしが帰宅時間を過ぎていても、黙認しているようなものだった。


だから何度も繰り返した。


お父さんに怒られないから。