対照的だと思ってた

あーあ、あそこは私の特等席なのに。


仕方ないなと違うイスに座ろうとする。


日当たり悪いけどまぁいっか。


そのイスの元へ歩くと、





「西嶺…?」




と、聞き慣れない声がした。


わたしのことは知ってるのか。誰だろう。


そのひとは煙草片手に立ち上がり、わたしの元へ歩いてきた。


「やっぱり西嶺だ」




「真宮…?」




真宮が煙草吸うなんて信じられない。でも、どう見ても真宮なわけで…。


「煙草、吸うんだね」


「え?あぁ、そうだね」


はい、と煙草を一本渡してきた。


別にわたしは煙草吸うわけじゃないんだけどな。


寧ろ、吸ったことない。


真宮が喫煙って、イメージないなぁ。


多分、このことを言っても誰も信じなさそう。


「ねぇ、真宮…、」


サボり?と聞こうと口を開いたタイミングで真宮はわたしの目の前に人差し指を一本立てた。


ポカンとしているわたしの腕を掴み、上靴のまま玄関を走って飛び出した。


そのまま体育館裏の木陰でストップした。


「い、いきなり…、なに…」


運動が苦手なわたしはすぐに息が上がった。


呼吸を整えながら真宮を睨むと、


「先生、いたの気付かなかった?多分、見回りかな」


「全然、わかんなかったけど…」


「あ、そう?でも煙でバレたかなー」


そう言いつつも涼しげな顔。余裕って感じ?


「西嶺、寝るために玄関来たんだろ?ここ日当たんないし、寝てれば?」


「え、そんな眠そう?」


するとちょっと笑って、


「うん。濃い化粧もすごいし、クマがすごいから」


うわ!恥ずかしい!!


「じゃあ寝てる。おやすみ」


「おやすみ」


壁にもたれ、目を瞑るとすぐに睡魔が襲ってきた。


あぁ、もう、限界…。