対照的だと思ってた

西嶺は俺の肩にもたれ掛かるようにして寝てしまった。


頬には涙の跡が残っていた。


あの時、自転車を漕いでマンションまで行こうとすると何やら声が聞こえて。


変な人に絡まれても嫌だったからチラッとしか見なかったけど。


嫌がる女の服を無理矢理脱がせようとしていた男がいた。


どうにかしようとスマホのライトで照らすと見えたのは西嶺で。


とにかくここに居てはマズイと思い、西嶺を乗せて、ここまで逃げたわけだ。


でももし、アイツがまだ西嶺を探しているなら?


西嶺の家も知られていたら?


そこまでの事なら警察に頼るしかないけど。


でもそうしたら、西嶺があの店で働いていることもバレるのか…。


「…どうするかな」


それが教師に知れ渡ったら、学校にいれるかすら怪しい。


とりあえずは誰にも言わないで、どうにかするしかないのか…。


ふと、時計を見ると21時を過ぎていた。


西嶺は相変わらず寝ているし。


他に寝るところがないのでベッドに寝かせた。


俺はリビングのソファでも寝れるし…。


西嶺が起きた時のために机の上にパンと飲み物を置いておく。


シャワーでも浴びてくるかな…。


部屋の電気を消し、静かにドアを閉めた。