対照的だと思ってた

すると後ろが一瞬で光に照らされた。


男はその眩しさに手を翳した。


するとぐいっと腕を光の方から引っ張られる。


「っ、きゃ!」


慌てて、地面に散乱した服を掴む。


すぐにジャージを履くと、あたまからパーカーを被せられた。


「なんだ!逃げんな!!」


男も走って通りへ飛び出してきた。


「乗って!」


その人の自転車の後ろへ乗せられるとそのまま通りを走り出す。


後ろ目に男を見ると家の側に停められた車に乗り込んだ。


あの人のだったんだ…。


「西嶺、結構カーブあるから!捕まってて」


焦った様な声だったけど、聞いたことがある声。


間違いなくそれは、真宮だった。


ぎゅっと真宮の体に腕をまわす。


「ねぇ!まだ付いてきてる、あいつ!」


とわたしが叫ぶと、狭い住宅街に入っていった。


帰宅中の学生や、散歩中の人などがいて、あまり車は走っていない。


あの車の音もしない。


「もういないだろ。降りていいよ」


と、2階建ての一軒家で自転車が止まった。


そっと自転車から降りて、家を見ると電気は2階の一部屋だけ着いていた。


「ごめん、俺の家。全然、綺麗じゃないけど入って」


玄関のドアを開けながら言われた。


「お邪魔します…」


案内されるがままに真宮の部屋に行く。


広くて、本棚には漫画がいっぱい入っていた。


「あのまま西嶺の家戻るのは危険だろうから…。家知られるし」


ベッドに座りながら真宮が言った。


わたしはドアの近くに座り込む。


「まさか来てくれると思わなかった…。ほんとに、こわかった…」


襲われるまでの経緯を話しているうちに涙が出てきた。


夜コンビニに出かけたこと、車が止まっていて路地に連れ込まれたこと。


「でもね、今思えばあの男、店のお客さんだったかもひれない…」


多分、そんな気がする。


マナカちゃんがどうのこうのって言ってたし…。


「店の人に言っとくんだよ。あと、暗い時に出歩かない。俺が行ってから一緒に行っても良かったのに…」


「ごめんなさい…」


真宮に注意されてしまった。


「それに男の力に勝てるほど強くないでしょ。西嶺ちっちゃいし」


「だって、逃げようと思ったから…」


「まぁ、そうだけど…。怖かったしょ」


「…うん」


また泣きそうになる。


「泣きすぎ。目、真っ赤だよ」


「うぅっ。だって、真宮が…、」


あんまり人前で泣きたくないのに。


「もう、泣かないでよ。ほら、おいで」


ぽんぽんと真宮の座る隣を叩きながら言われた。


泣きながら隣に座る。


そのままずっと、


怖かったね。大丈夫だよ。泣かないで。頑張ったね。


って言ってくれていた。


怖かったってのもあるけど、優しさに泣いたのも半分ある。


真宮が来てくれて良かった…。