対照的だと思ってた

週の終わりだからかお客さんがいつもより多い。


どうせ明日休みだからいいけど…。


「マナカちゃんが彼女ならいいよねー」


「そんなこと言って、奥さんに怒られちゃいますよ」


「いいんだよ。若くて、美人さんでねぇ…」


と言って、わたしの足に手を置いてくる。


ほとんどセクハラだけど、このくらいなら先輩達はなにも言わない。


だからわたしも何事もないかのように話を続ける。


「マナカちゃんは恋人とかいないのかな?」


「ふふっ。そんなのいないですよぉ」


まぁ、好きな人は真宮だけど…?


「若いからそんな人すぐにできるよ。いいねぇ…」


じっくりと体を見られるとなかなか緊張する。


また変な誘いをしてくるんだろうか。


柳田さんは真面目な銀行員のように見えるが本当は女の子達にホテル行こうとかしか言ってないし…。


男は内心、こんなことしか考えていないのかと錯覚してしまう。


そんな人とばっかり接する仕事をしているから仕方ないけど…。


「ね。マナカちゃん僕とホテル行かない?お金はもちろん払うからさ、」


こんな誘いで体を売ったことはないし。


「早く帰らないと駄目ですよ?奥さんが怒っちゃいますよ」


お決まりの言葉で綺麗にスルーしたはずが、いつもと違う不機嫌そうに


「チッ、わかってないな」


と席を立ってしまった。


あれ…?なんなの今日は…。


どうやらもう帰ってしまうようだ。


今日はただ、わたしを誘いに来たというだけなのだろうか。


そのような目的なら別のお店に行っていただきたい。


「気にしないで。あんな人も割といるの」


と、すかさずフォローしてくれるのはお店で一番人気のマリナさん。


可愛さより色気が勝る、美人さん。


「すいません。わたしの返しのせいですね…」


「そんなことないよ。気にしないで。何かされたらわたしに言ってね」


と、綺麗なブルーのドレスでお客さんのもとへ戻ってしまった。


この仕事、向いてないかもって何回も思ったけど…。


今更、辞める訳にはいかないよね…。


生活のためにも…!