4時間目が終わり、飲み物だけを持って階段まで行く。


ちょっと緊張する。


告白するのに呼び出したみたいじゃない!?


真宮は友達が購買でお昼を買いたいらしくそれの付き添いでまだ来てないけど…。


ゆっくりと深呼吸をする。


やっぱり緊張する!!


持ってきたりんごジュースを飲み、乾いた喉を潤す。


「…ふぅぅ…」


息を吐いていると階段を上る音がした。


背中をしゃきっとさせる。


「西嶺、」


「ま、真宮っ!」


案の定、真宮とそのお友達。


「なになに、待たせてるのって西嶺だったの?亮、変なことすんなよー!」


「しねーよ!祐希、早く帰んな」


「はいはーい。一人寂しくお昼たべてまーす」


たくさんのパンとジュースを抱えながら去っていく。


「昼ごはん前にごめんね!そんな時間取るつもりはないので…」


「うん。俺は大丈夫だよ?どうしたの」


真剣に、だけどいつものような優しい眼差しで見つめられる。


ぎゅっとスカートの裾を握る。


「単刀直入にさ!好きな人っているの?」


えっ、と目を大きく開いた。


でもまた優しい顔にもどって、


「それって恋愛的にってことでしょ?」


「うん…」


そのつもりだけど…。


「いないよ。本当に」


そっか。いないのか。


ちょっと攻めてみたいけど…、私の事どうですかって…。


いや、いきなり気持ち悪いかな。


「西嶺、どうかした?」


ぐんっと真宮が近付いてきた。


うわぁ、近い!


「…あの、真宮から見て…。本心で、わたしのことどう思いますか」


もうこの距離で目を合わせるのも無理だ。


思わず下を向く。


すごい、見つめられてる感じ!


「最初はうるさい感じな人だと思ってたけど、今はそんなことなくて、」


「うん」


「案外、女子で。背がちっちゃい」


「う、うん」


背?褒めてるの…?


「言うのも恥ずかしいんだけど、」


「…うん…!」


なんだろう、こわい。


しばらく沈黙してから、





「かわいい…、かなぁ」





!?


頭が真っ白になる。


かわいい!?


わたしのことどう思うか聞いて、かわいい…。


「うん…」


そっか。へぇ…。


「なにその反応。俺が恥ずかしいだけって…」


いやいや、わたしも照れるよね。


「ほら、戻るよ」


前をスタスタと歩く真宮。


照れ隠しってやつですか…?


真宮のがかわいいじゃん。


「真宮、照れてる?」


意地悪したくなってグイグイ腕を引っ張って聞く。


「だって顔真っ赤だったもん」


でもスタスタ歩いてっちゃう。


「まーみーや!」


大声で呼ぶとピタッと止まった。


「ちび。うるさいよ」


と言い、ぺしぺしと2回、頭を軽く叩かれる。


「ちょっとデカイから人をちびとか言うもんじゃないよ」


とか言いつつ、内心喜んでたり。


真宮がちびとかからかってくるのって初めてじゃない?


友達とかにしか言ってないし…。


いや、男友達と同じって思うと悲しいけど。


気軽に話してけれるだけいいよね!


教室に入るなり


「えるっ!どうだった?」


日菜と梨華が囲んできた。


「ね、聞いてよ!」


案外、女子。背がちっちゃい。それともちろん、かわいいって言われたこと!


それを全部話すと


「かわいいとか!言ってくれるの最高だね!」


「仲良くなれてよかったね!」


とか言ってくれた。


やっぱり真宮のこと好きになってよかった!


まだ自分でもハッキリわかっているわけじゃないけど、好きだもん。


恋愛で、とかじゃなくても好き。


「しあわせ……」


腕に顔を埋めて呟くと本当にしあわせって実感した。


いつまでも続けばいいのにな!