孤独姫



「限界はもちろんあった」


舞里には聞いてほしい
だけど嫌われたくはない


「そんな時にじゅんに出会った」


こんなに重い話を
しっかり聞いてくれる、舞里


「誰でもよかったんだ、優しく声をかけてもらえれば」


あの時は、とにかくしんどかった

誰かに聞いてもらいたかった
この気持ちを
分かってもらいたかった


「それから、じゅんは一緒にこれからのことを考えてくれた」


俺のことも、
弟たちのことも


「高校生になって、ちゃんと働けるようになった」


じゅん達はみんな
こんな俺を受け入れてくれた


「で、今がこの状態かな」


限界なんてすぐに来る

分かっていたはずなのに

……バカだな、俺は





   樹壱said終