必死になって探したけど
どこにもいなかった



あの男のとこに行ったのかもしれない



そう思った
でも、


養子に行くことが決まってからは
舞里が個人で連絡を取っていたようで


あの男のことは何も知らなかった




だから、
私はあきらめるしかなかったんだ









それから数年後
私はある家族の養子になったんだ


“小早川財閥”


わたしはそこの家の家族になった
そこの家の人はみんな優しくて
幸せだった

舞里がいなくなってから
色がなくなっていた世界に
急に色がついた感覚だった


そんな時に
1通の手紙が届いたんだ
宛先はなく
私の名前だけが書かれていた



“もう大丈夫だね”



って


すぐに誰からなのかは分かった
でも、
その手紙にはそれ以外の情報がなかった


でもだからこそ
舞里はここに来たんだって
確信が持てた


それから
お母様とお父様に
舞里のことは話した


お2人は快く
探すことを許してくれた


その後
あらゆる手を使って探し続けて


数週間後に


やっと見つけれたんだ


それが













“黒塚組”















だったんだ


それが分かったとき
すぐにでも会いに行きたかった


でも、
行けなかったんだ


…お母様たちに止められたから




あの組は
裏の中でも
ものすごい悪いことをしている組で

危険だからやめてほしと言われた




その時
やっとあの時の
舞里の気持ちがよく分かったんだ



なんであの時
舞里が行くって言ったのかが


















私のためだったんだって