昔は本当に仲が良かった




今では考えられないぐらいに
舞里は明るくて
元気な女の子だった


そして、
お母さんもお父さんもいて
他の家とは比べ物にならないほど
仲のいい家族だった




でも、





そんな幸せな時間が
ずっと続くことはなかった





…お母さんとお父さんの死







急に起きた出来事
私たちはすぐには理解できなかった



死因は事故だって
担当した刑事さんが教えてくれた


でも、
信じられなかった


そんな時
ある男からこんな話が来たんだ



“養子に来ないか”



私たちはまだ
小学生になってすぐで
おじいちゃんもおばあちゃんも
もういなかった


だから、
その男の話を受けるか
施設に入るかの
選択肢しかなかったんだ


でも、その男の
話には続きがあった



“どちらか1人がほしい”



その日の夜に
舞里と私は
どうするのか話し合ったんだ


何も知らない男のもとにどちらかが行くか
2人で施設に入るか…


私は
相談なんて必要ないと思っていたが
舞里はそうではなかったみたいで



「私が行くよ」


その言葉に含まれた意味は
その時は全く分からなかった


でも、
舞里はそのころから
パソコンにはまっていたから
いろいろなことを知っていた

だからこそ
その言葉の意味を聞いたときは
全然疑わなかった



「あいつは裏の奴だ」


「…だったら尚更」


「行かなかったら何かしてくるかもしれない」


そう言った舞里の顔は
今でもはっきり覚えている

なんか苦しそうで
何かを決意したような顔だった



「夢里、ごめんね」



「舞里、…いやだよぉ…」



ごめんね、ごめんね
と何回も謝る舞里の顔を見て
私は
本当にもう駄目なんだって思った









それから数日間は
ずっと一緒にいた



でも、



ある日舞里は































私の前から姿を消したんだ