綺沙麗から
本当の話を聞いた


嘘かもしれない
でも、
嘘には聞こえなかった


「慎くんと別れないと次は私の友達が同じ目にあうって言われて……」


友達思いな綺沙麗に
そんなことを言えば


僕との別れを選ぶと
考えたんでしょうね


「…ず、ずっと悩んでて」


悩んでた…


「慎くんのことは大好きだだし、友達のことも好きだし…」


選べなかったってことか
だから、
別れを告げられる
少し前から
僕と一緒にいるとき
上の空が多かったんですか…


「なんで相談してくれなかったんです」


「相談したら、慎くんの悪いうわさを流すって言われて…」


…そんな理由で


「だから、私が悪くなれば…って思って」


だから、
あんな振り方をしてきたんですか


僕が綺沙麗を
嫌いになると思って


「でも……結果的に傷つけた」


綺沙麗なりの優しさが
逆に僕のトラウマになってしまったのか…


「だから、あ、謝りたくて………ごめんなさい」


綺沙麗はずっと一人で
背をってたんだ


誰にも話すことができなくて