舞里ちゃんのおかげで
綺沙羅に会えることになった


不安もあるし
怖いという気持ちもあるが

本当のことを知りたい
自分もいるんだ


今は
舞里ちゃんに言われた場所で
綺沙羅が来るのを待っている


「…し、慎くん」


そう消えそうな声が聞こえ
後ろを振り返ると

昔と何にも変わっていない
彼女がいた


「ず、ずっと謝りたくて」


「とりあえず座りませんか」


「う、うん」


そう涙を浮かべながら
言ってくる彼女を前にして
攻めることなんて僕にはできなかった


本当は
なんで今更って思ってた

二度と会うこともない
って思ってた


「慎くん…」


「あの時のこと話してもらえますよね」


彼女は
僕の言葉を聞くと
静かに頷いて
昔のことを話し始めた


「あの時ーーーー」




  慎哉said終