こんなの心臓もちません!

「……あっそ」

コホン、と咳をしてそう言う千紘に、

やっぱり心配になる。

「あの、もう少しかかると思うし寝ててもいいよ?」

「……お前みたいなのが横にいたら安心して寝れねぇ」

……なにこの人。

寝てる間に私に襲撃されるかも、

なんて思ってるわけ!?

「それはすみませんでしたね!
じゃあ部屋出て行くから寝といてくださいっ」

そう言って椅子から立ち上がると、

……パシッ

えっ?

振り向くと、千紘が私の腕を掴んでいた。

「……行くなよ」

「ち……ひろ……?」

わけがわからなくてじっと千紘を見つめていると、

「……ここにいろ」

コホッと咳をしてそう言った千紘に

何も言えないままストンと椅子に座る。