「え…?」

肩に掛かったのはどうやら千紘のパーカー。

「お前生まれたてのやぎみてぇに震えてんぞ」

「やぎ!?」

子鹿とか子馬とか、

もっと可愛いもの絶対あったでしょ!

いやまあ、やぎも可愛いんだけど。

でもそれより、

……あったかい。

なんかよくわかんないけど、

パーカーのお陰か、なんだか心までぽかぽかしてるような、

ふわふわしてるような。

「……ありがと」

千紘を見上げてそう言うと

一瞬目を見開いてからフイッとそらされる。

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