「料理、紗里さんから習ったの?」

「まあ」

ああ〜、美味しいはずだよ……。

「っていうか、私、卵割ってとくくらいしかしてない……」

「確かにな。じゃあ対価として、
今日1日俺の言うこと聞けよ」

「その言い慣れてる感じ、凛にも言ってるんでしょ」

そんな話をしながらオムライスを完食し、

食器を洗っていると、

♪〜

「……チッ」

電話の音に舌打ちする千紘。

「えーと、出ないの?」

「……お前出れば?」

えぇ……。

♪〜

き、切れそうだし、

千紘は出ないみたいだし仕方ない。

「も、もしもし、天峰です」

『え?あ、えっと、あの……』

ん?女の子の声……。