「お前チビだったよな」

「自分もでしょ。同い年のくせに」

「正式には俺が6月でお前は9月生まれだから俺の方が年上だけどな」

……小学生かい。

っていうか、

「よく私の誕生日覚えてたね」

写真立てに伸ばしていた千紘の手が、

ピタリと一瞬固まる。

……?

「……べつに、フツーだろ。
お前が記憶力悪ぃんじゃねぇの?」

「なっ……!」

「じゃあここ頼んだ。
もうサボんなよ」

「さ、サボらないよっ」

ほんと失礼しちゃう!

私は千紘の背中を少し睨んで、

掃除を再開した。