「じゃあ行ってくるわね〜!」

「いってらっしゃい、紗里さん」

そう言って手を振って見送り、

パタンと閉じた扉を見てよしっと気合いを入れる。

紗里さんにお礼する気持ちで頑張っていこ〜!

そう思って頷いていると、

「……ジャマ」

「……」

掃除用具を持って前を通る千紘の言葉に、

思わず黙って睨む。

……いや、でもしばらく二人だけなわけだし

仲良くやっておこう。

「千紘、なに手伝ったらいい?」

「そこらへん適当に」

「……」

指示ざっっっつ。

そう思っていると、千紘が私を見て

やれやれ、みたいな顔でハンディワイパーを渡してくる。

「これでテレビとか写真立てとか拭け」

い、色々言いたいことはあるけど、

「わかった」