こんなの心臓もちません!

優しい、でも全てを見透かすような目に、

耐えられなくなって俯く。

「っ……そうだよ。杞憂だよ」

「……そうか」

誠也くんはもう一度そういうと、

私の頭をぽんぽん、と撫でてくれる。

そんな安心を与えるような優しさは、

私が顔を上げて、

どこかで渦巻く気持ちを抑えるには十分すぎるもので。

「……ありがと、誠也くん」

「なんのことだか」

優しく微笑みながらそう言った誠也くんに

もう一度お礼を言って

それからしばらく、並んで夜景を眺めていた。