天峰誠也(あまみねせいや)。

この家の長男で2つ年上で、

頼りになる優しいお兄さんみたいな存在。

小さい頃に遊びにきた時も、

庭で本を読んでる誠也くんの隣に座ってよく喋ったなあ……。

「……千紘、これから一緒に住むんだから、あんまりいじめてやるな」

こんな風に庇ってくれるし……。

「……うるせぇな。なんでお前に言われなきゃなんねぇんだよ」

……まあ、千紘とは犬猿の仲みたいなんだけど。

「ま、まあまあ、誠兄、かばん置いてきたら?」

「ああ、そうだな」

「……さっさと行けよ」

誠也くんはそんな千紘を一瞥すると

リビングを出て行った。