「なにもないよ?……ね、結良ちゃん」

「っ……う、うん……」

かあっと赤くなる結良ちゃんにふっと微笑む。

「ほら、帰ろ?」

そうして手は繋いだまま歩き出す。

二人は、僕なら安全だと思ってたんだろうな。

結良ちゃんに手出しなんてしないし、

行動だってなにも起こさないって。

ちーちゃんと誠兄はお互い気持ちを知ってて

バッチバチのバトルを繰り広げてるけど、

結良ちゃんのことを想ってるのは自分たちだけじゃないんだから。

……これは、宣戦布告だ。

そんな気持ちを胸に、

結良ちゃんをちらりと見てからもう一度微笑んだ。