「荷物ここでいい?」

「あ、うんっ、ありがとう」

「いえいえ〜」

そう言ってトランクを置いたところで

紗里さんが部屋に入ってきた。

「どう?この部屋気に入ってもらえた?」

「はいっ!ありがとうございます、本当に」

ピーンポーン

「あら。凛、ちょっと行ってきてくれる?」

「はいはーい」

そう言った凛を見送って

改めて紗里さんと向き合う。

「あの、これからお世話になります。
ご迷惑おかけしますがよろしくお願いします」

頭を下げると、紗里さんはにっこり微笑む。

「こちらこそよろしくね。
凛もあんなにはしゃいじゃって……。
私の方が迷惑かけちゃうわね」

「いえいえ、弟ができたみたいで新鮮ですよ」