でも、この数ヶ月間はお酒を飲むこともなくて、だからきっと一気に酔いが回っただけのこと。


「おーい、反応しろよ」


ゆらゆらと目の前で掌を動かされ、もう一度ハッとして彼を見た。



「マズい。帰らないと」


足元に掛かってた白いカバーの付いた肌布団を剥ぎ取り、慌ててベッドの下へ足を下ろそうとした途端体がグラつく。



「おっと!」


前のめりになって倒れそうになるのを腕を握って止められた。

ドキン!と胸が弾んで振り返り、相手のことを確かめながら「すいません」と謝まった。


どうして私、こんな体たらくな姿をこの人に見せてるんだろう。
この人とは、ちょっと話をしてから帰ろうと思ってただけなのに。



「あの…離して下さい」


腕を…と言うと、返ってぎゅっと握られる。


「まだ足がモタついてるじゃないか。帰るならきちんと酔いを冷ましてからにしろよ」


尤もそうな言葉を吐かれ、そんなに悠長にはしてられない…と答えた。


「家族が心配してるといけないから」