この夏、縁あって山口県の萩市に行きました。

毛利家のお墓があることは知っていましたが、どんな場所かは知らず、初めて訪れる場所に、期待に胸を弾ませて門をくぐれば。


其処には作中に書いたような荒れ放題の庭や本堂、宿坊などが見受けられました。

午後十二時を過ぎたばかりという時間の関係もあってか、訪れている人は他に居らず、のんびりと総門や本堂を歩いて参り、『廟所』と矢印の付いた看板通りに歩いて裏山に向かいました。


ゴロゴロと石の突き出た地面を見つめながら視線を前に向け直すと、鬱蒼と伸びた杉の木が並んでいて。

沼のような場所には枯れ枝や葉が浮かび、如何にも墓場…といった雰囲気で恐ろしかった。