(でも……止めれなかったの……)
心の声が胸に響いて苦しくなった。
振り絞るような泣き声が漏れた瞬間、堰が切れたーーーー。
「うう……う…ぅあ…あ…ああああーーーっ!!」
叫びにも似た声が飛び出し、背中を貸してくれた人もビクついた。
だけど、それにも構わず、私は苦しさを全部押し出すように解放した。
ーー私の恋は間違ってた。
誰かの夫を奪っても、自分が幸せになれたりしない。
あの日、奥さんの出血を見て気付かされた。
自分のしてる行為は、絶対に許されない大罪だと。
子供過ぎて何も見えなかった私に神様が大きな罰を与えた。目を覚ませと言うように、私の目の前で出血した。
あの日以来、体も心も凍てついた。
人の優しさも疎ましくて、心配される価値もないのにと恨んだ。
(……全部、私が起こした事が原因だったのに……)
わあわあ…と激しく声を上げて泣くなんて子供の頃以来だった。
泣いても泣いても涙が枯れなくて、このままずっと泣き続けるのかと思うくらい多く泣いた。

