季節は12月。

寒いはずなのに何も感じない。



私は海に足を進めていく。


どんどん進み、足が地面に着かなくなりそうになった時



「おい!戻ってこい!」


男の人の焦った声が聞こえた。



……気のせいだよね。


こんな時期に海に来る人なんて私以外いるはずがない。



また、足を進めようとした。


その時


――――パシッ


海の中にあった私の手を誰かが掴んだ。