私を含め、乗客たちは全員その男に注目し始めていました。
「あなたは51歳ですね?」
「あと5分で日付が変わったら51歳なので、今はまだ50歳です。」
最後に質問された女性は、笑顔でそう答えました。
あと5分とはいえミスをした男に、周りの乗客はなんだかほっこりしていました。
けれど男の顔が、その途端に青くなったのです。
男は、あせって時計を見る。
すると、男は青い顔を私に向け、こう言いました。
「…私が見えているのは貴方がたの寿命です。」
解説
つまり、この男の予想通りになれば、この後0時を過ぎれば電車の事故で乗客がみんな亡くなる。


