ある駅に電車が来て大勢が乗り降りした。



最後に電車に乗ろうとした男は、気に入らない事があったのか、振り向いて後ろにいた無表情な男に





「ふざけんな、殺すぞ」





と言い放ってから電車に乗り込んだ。




無表情な男はホームに立ったまま、何かを言っている。



口元をよく見ると「ひとつき」と言っているようだ。



一ヵ月後電車に乗った男は背中に異様な気配を感じ、言葉の意味に気付いた。



そして、後悔しても遅いことにも。