ヒミツの通り道。




あたしはご機嫌で玄関に入った。



「皇く〜ん!

返事ぐらいしようよ〜!



今日ね、練習はできなかったけどお友達ができたんだぁ!

いやぁ!トークしてるうちに愛美ちゃんと仲良くなっちまって……ひいいいっ!!」



そう言いながらリビングの入口のドアを開けると、これでもかってほどの不機嫌顔の皇くんが目の前に立っていた。



「さて、あまねちゃん。

今のセリフをもう一回言ってもらおうか。」



「いや、あのっ、………。」



「練習はできなかったけどお友達はできたって?
おめでとう。それはよかったね。

ところで、なんで練習ができなかったのかな?

トークってまさか同居のこと話したんじゃないよね?
自分からルールを作っておいてさ。」