その黒い笑みから逃れるため、皇くんから顔を背け、なんとなく第2グランドを見た。 ………あれ、なんかバスケットボールもって一人で練習してる子がいる。 でもゴールに向かって飛ぶそれは、全くもって入る気配がない。 「ねえ待って皇くん。」 「なに、まだなんかあんの?」 早く家に帰りたいのか、お腹がすいたのか、 少し苛立った声で返事をされた。 「そ、そうじゃないけど。 あそこにいる女の子、たしか奥田さんだよね?」