愛され過ぎて…ちょっと引いてます

「何だ?」

やや訝しげに向井室長に尋ねるその人は、私にも視線を向けた。

ああ...この方が我が社の副社長。

うん、納得。想像以上のイケメンさん。

精悍な顔立ちに、瞳に持つ力強さ。

ついつい圧倒されてしまう。

モデルみたいと表現される向井室長とはまたタイプの違う、ハイグレードなオーラをまとう男性。

あぁ...何故みんなが『副社長VS向井室長、どっちの方がいい男か』と悩み語るのか理解できちゃった。

そんな事を一人脳内分析していると、向井室長が私の肩にそっと手を添え紹介してくれた。

「こちらが秘書室に配属された千堂さんです」

そう言ってから私に微笑んでくれた室長は、手に持っていたファイルを開き、副社長の元へ行って手渡して見せた。
 
それに合わせて私も自己紹介をする。

「千堂 恵と申します。どうぞよろしくお願い致します」

「けい?変わった名前だな。めぐみじゃなくて、けい..か」

そう言いながら副社長がこちらに歩いてきて、途中で足を止めた。

微妙な距離から視線を向けられて、私も目を逸らせずに困ってしまう。

するとまたゆっくり歩き出して、私の目の前に立ち、見下ろしてくる。