愛され過ぎて…ちょっと引いてます

そんな私のことなど気にすることなく、向井室長はその場を取り仕切った。

「さぁ、では参りましょう」

「はい」

私の返事を聞くとまた前を歩き出し、副社長室の前で足を止めた。

そしてドアを開けると私に先に入るように促してくれる。

「ありがとうございます」

お礼を言いながら頭を下げ、そして部屋の中に入った。

そこにはデスクが2つあり、4人掛けの応接セット、ミニキッチンが設備されている。

それらを眺めていると向井室長は奥の部屋のドアへと歩いて行ったので、私も後へ続く。

そしてドア前に立った室長の横へ並ぶ私の顔を一度見てから、目の前のドアをノックした。

「失礼します」

声をかけてからドアを開けて、今度は向井室長が先に部屋へ入ってからドアを支えてくれる。

そして私に「どうぞ」と声をかけてくれた。

「失礼致します」

そう挨拶をして深くお辞儀をしてから副社長の部屋へと入り、向井室長の隣に並んだ。

そんな私達のやりとりにデスクに座っている男性が、視線を上げてこっちを見た。