｢俺は、杏奈の彼氏になりたいんだよ｡｣

そういって、悲しそうに笑う。


その悲しそうに笑う快斗に

｢こんな私でよければよろしくお願いします｡｣

気がついたらそう答えていた。

｢…え？今の幻聴？それともゆめ？｣


私が当然断ると思っていたみたいで動揺を隠しきれてない。


｢ゆめでも幻聴でもないよ。
ここにいる私が言ったの。

私が快斗に抱いてるこの気持ちが恋かどうかは分からないし、これから快斗を絶対好きになれるとは言えないけど

快斗の気持ちには答えたいって思うから。

それにこの1週間快斗と会えなくて寂しかったのは事実だから。

…だからこんな曖昧な答えしか出せないような最低な私でよかったら彼女にさせてください｡｣

そうやって、まだ目に涙をためながら笑顔で手を出すと勢いよくその手を取って快斗が続ける。

｢いいよ。絶対おとしてみせるから。

絶対に他の男のとこになんて行かせない｡｣


声のトーンを低くして放たれた言葉は、いつもの快斗からは想像も出来ないような言葉で目を丸くする。


｢うわっ、調子乗った。

今の忘れて｡｣


快斗は顔を赤くして視線を逸らした。


｢大丈夫。絶対、忘れないから｡｣

2人で顔を見合わせてふふっと微笑む。
こんな楽しい日々が続けばいいなと思った。