キャンピングカーは、
田畑を過ぎ、峠を走り、トンネルを抜け、
清らかに澄んだ流れの 河辺に到着~♪



到着するなり、那瑞菜兄の友人たちは、
待ってましたとばかりに 川釣りをはじめた。

運転していた那瑞菜の兄貴も、一服し、
川釣りの準備に取り掛かる。


花梨は、持って来たバッグを開けだした。

「あっそうそう、何持って来たん?」

花梨は、「うふふ♪」と微笑みながら、
バッグに入れていた 鍔広の麦わらハットと
夏の陽射しの下でぴったりな ビタミンカラーのワンピースを那瑞菜に見せた。


「わぁ~キレイな色っ。って、
キャンプでどうすんのっ」

「これを着て漫才したら どうかな~と思って。
ギャップあるでしょっ」

「あぁ~まぁね、何が始まるんだろぉ~って、
予想つかないかもねっ」

「ねっ♪
よしっ、着替えよう♪」

「OK♪」


目立つ服装も 見映えする、長身のふたり。

そして、
キャンプということで 川かな?と予想していたふたりは、洋服の下に水着を着用済みで、

花梨は、ミニのワンピースに素早く着替え、
那瑞菜は、ロングワンピースを着ながら、兄貴に確認した。


「兄貴~、忘れてないよねぇ」

「おう、バーベキューだろ?
釣りの後でいいだろ。もう腹減ったか?」

「いいやっ、バーベキューは後でいいんだけどっ、
ちょっと 花梨と面白い事やってみるから 手伝ってって頼んでたやんっ」

「あぁ、今からか?」

「うんっ、すぐ済ませるからっ、先にお願いっ」

「あいよっ」

那瑞菜兄貴は、軽やかに応えると、
川釣りをしている友人たちに ひと言伝えた。


「お~いっ、ちょっと頼まれ事で移動するけど、すぐ戻ってくるから~」

「おう」「あいよ~」「は~い」

友人たちの応えを聞き、那瑞菜兄貴は、運転席に着く。


「で、何処に行くんだ?」


「え~っとねぇ、ここも~家族連れとか友達同士で来てる人達とか けっこう人がいるからいぃんだけど~、
急に現れて驚かせたいから~、
あっ!
彼処のログハウスが沢山ある所にしようかな、
ねぇっ、花梨っ」


「そうねぇ~、彼処もけっこう人がいるみたいっ」

「うんっ。
じゃあ、兄貴っ、彼処に行ってちょうだいっ」

「おうっ」

「で、覚えてる?
停車したら、車の上と側面を開けてね。
ウチらが、ちょっとしたことをやるから、そのまま待ってて。
終わったら、閉めて撤収~の合図するから」


「なぁ、ちょっとしたことって、ヤバイ事とかじゃないよな?」

「全然っ。
楽しんでくれたら嬉しいなってこと」

「楽しいこと?
なんか、キレイな服着てるけど?」

「お楽しみっ♪」


「そうかっ、了解っ」


那瑞菜兄貴は、其処から見えるログハウスへと
キャンピングカーを発進させた。