蝉の鳴き声が 騒がしく響いてくる、真夏。




燦々と真上からの太陽と
入道雲が聳え立つ 青空の下、

花梨と那瑞菜は、花梨の家の縁側で
スイカを食べていた。


「ねぇ、卒業してから どうよ」

「バイトに明け暮れる毎日よ」

「花梨、進学しなかったんだっけ」

「うん。
定職もいまいちで、今んとこバイト。
バイト三昧よ。那瑞菜は?」

「豆腐屋、手伝ってる」

「あぁ~家の」

「そっ」

「那瑞菜、跡継ぐの?」

「ううん。
兄貴がいるからさ」

「そっか」

「でもねぇ、この忙しい時に すぐキャンプ行くんだょ、まったく。。 でっかいキャンピングカー買ってさ」

「へぇ~、キャンピングカーでキャンプ。いいねぇ~」

「どうかわかんないけど、仲間たちと改造して 盛り上がってんの」

「改造?」

「うん。
側面一面と上が全部開くように」

「へぇ~、一気に開放的ねぇ」

「まぁねぇ」

「見てみたぁい。
私たちも、連れてってくれないのかなぁ」

「あっ、ウチらも一緒にいいぞって言ってたな」

「わぁ~!いこいこっ♪

あっ!いいこと思い付いたっ!」


「いいこと?」

「うんっ。
那瑞菜、まだ漫才のネタ、書いてる?」

「うん、書いてるよ」


「そっかぁ♪」

「ん?」

「前に、見せてくれたネタも まだある?
あれ、すっごい面白かったもんなぁ~♪」

「ほんとっ?♪もちろんあるよっ」

「それっ、
ウチらでやってみない?キャンプ先でっ」

「おっ??」




こうして、

目を丸くする那瑞菜に
ある閃いた作戦とともに ニコニコっと言い出したした花梨の、

やってみよう漫才が、真夏にスタートした ~~