MOON WOLF

そんな私の考えをよんだのか

「お前、俺んとこくるよな?」

有無を言わせぬ愛斗の低い声。

…仕方ないよね…もう行く宛が…

「ほんっとに申し訳ありません。宜しくお願いします。」

私は深々とお辞儀をした。

決してふざけているのではない。

これはケジメだ。

恋人だからといって、甘えていいわけない。

でもそれを許してくれるから、ちゃんとこういう事は言いたいし、正直なところ

愛想つかされるのが怖いのもある…

愛斗は嫌いにならないって言ったけど、人間の心はそう簡単に行かないのを私は嫌ほど知っている。

私はもう愛斗なしじゃ生きられないから…

愛斗は、

「ああ」

私が思っていることを分かってくれているのか、真剣に返事をくれた。

心から、本当に感謝しかない。ありがとうございます、愛斗。

私達はまだ1日だけ、点滴が必要な優結を

「すぐ来るから!」

と、言って病院に残し優結の着替えを取りに帰ることにした。

家に帰るとやはり鍵はあいていて、優結の服を何着もつと、愛斗のバイクで病院に戻り

優結が寝るまでそばにいた。

愛斗に、先帰ってていいよ

と、言ったけど「俺もここにいたい」

そう言ってくれて残ってくれた。

優結の寝つきはいいはずも無く、家に帰ったのは夜中の一時を回った頃だった。