MOON WOLF

「やだっ…なんでっ?」

慌てて拭き取ろうと手で顔を擦った

なんで涙なんか

「やめろ、痛いだろ!!」

愛斗が私の手を掴んだ。

そしてまるで産まれたての赤ちゃんに触れるように

私の涙をそっと拭ってくれた。

「ありがとう…」

「ん」

沈黙が流れた

「…マリア」

「?」

突然愛斗に呼ばれて俯いていた顔を向ける

「お前もっかい寝ろ」

「え?」

それだけ言うと部屋から出て行った。

多分、愛斗なりに気を使ってくれたんだと思う

ほんとに優しい人…

私は愛斗に話さなければならない

もう隠したらダメだ

こんなにも迷惑かけてしまってるのに

ちゃんと言わなきゃ

家のこと、私のこと全部…

そう決意したら私はまた眠りについた。