階段を上がっていくと、鉄がさびたような色の扉があった。

銀髪さんは黙ってその扉をあけた。

「愛斗ー!遅かったね!」

扉を開けた瞬間、中から茶髪のクリクリとしたカワイイ目をした男の人が飛び出してきた。

花塚マリア。本日何度目かのビックリでございます。

ほんと、なんか今日は心臓に悪い日だ…

銀髪さんの後ろでじっとしていると、

「あれ?その子だあれ??」

クリクリさんに見つかったみたいで、目をぱちくりさせて私を見ていた。

なんて可愛いんだ。

抱きしめちゃいたい。

すると、奥の方からも声がした

「げ?!何そいつ!裸足じゃん!!」

と、パツキンの髪の毛をたてて、顔に傷があるごつい人が言った。

「冬真、手当してやってくれ」

いきなり、黙っていた銀髪さんがアッシュグレーのとっても爽やかでイケメンなお兄さんにそういった。

「…うん、わかった。あゆ、救急箱。」

「はい。」

クリクリさんは爽やかさんに救急箱を手渡した。

「じゃあ、はい。そこに座って?」

爽やかさんはとっても優しい笑顔で私に奥の黒い高そうなソファーに座るよう命じた。

「え?!」

「へ??」

まってまってまって

もしかして、手当ってあたしの足を手当するつもり?!!

「うん、そうだよ?」

心の声が漏れていたみたいで、にこやかに爽やかに、爽やかさんは私に言った。

「いやだ!!!!」

私は痛いのは嫌いなんだ!!

消毒液とか超しみるでしょ?!!!

絶対……やだっっっ!!!

「うーん…でも、手当しないと凄いことになってるよ?」

爽やかさんは私の足を見た。

「だってっ!…」

すると、銀髪さんは話していた腕をまたもや掴んで

私をソファーに投げた。