「うるせえ」

「痛いぃいいいい」

私は足の裏の痛さに泣き叫んで、目の前の銀髪さんはうるさいと機嫌を損ね。

もうこの場は収集がついていない状態。

そんな中、銀髪さんはスマホを取り出しどこかに電話をしているみたいだ。

「俺だ。」

少々痛みにも慣れてきた頃、私は心の中で、俺だ、とか分かんねえよ

とか突っ込んでいたことは内緒だ。

銀髪さんは続けて、

「車、南町に持ってこい」

南町とはここの繁華街のこと。

えっらそうなひとだなあ。

そんなことを思っていると銀髪さんは電話を切った。

「お前」

「はい」

呼ばれると同時に黒い高級車が私たちの目の前に止まった。

「俺について来い。」

そして私は腕を引っ張られ車に無理やり乗せられた。

「ちょ、ちょっと!!何するんですか!!」

私は睨みながら銀髪さんに抗議した。

でも、銀髪さんはこちらを見ることもなく黙って窓の外を眺めていた。

私はその、横顔というかオーラというか

銀髪さんの纏っている色気や色々なものに魅了されていてそれ以上は何も言えなかった。

私は諦めて、車を見渡した。

運転手さんがいた。

顔はよく見えないけど、金髪の丸坊主のひとで、黙々と運転だけをしていた。

しかし、私はどこに連れていかれるんだろう…

まあ、私はどうなってもいいけど

家に置いてきた優結が心配になり、少し焦ってきた。

それから5分くらい経った。

車は止まり、どうやら目的地に着いたみたいだった。