嫌がらせとか
そんなことのためにこんな遠くの学校通うわけねーだろ

まぁそんなへんなポジションについてた
おかげかこいつがどーして変なこだわりを持ってるのか知っている










かなめは、あのことを忘れたいんだ


約半年前に起きた事故を。






だから誰も要を知らない阪南丘で
1からやり直す
何も思い出さなくていいよう
逃げてるんだ

仕方ないことだと思う
逃げずして進める道はなかった
膨大すぎる悲しみを背負うなんて
こんな小さなガキには無理な話で
それを悪いことだなんて思わない


「ほんと良い趣味してるよね
学校で話しかけないでよね
あと要って呼ばないで」

「うるせっ
分かってるよ。橋本さん」


気持ち悪って顔に思いっきりでてるぞ
馬鹿要。ほんと一発殴りてーわ

忘れるなんて出来てねーし
これからだって絶対出来ねーし
立ち直れてるようなフリして
無茶してるからここまでしてんだよ


「ほんと馬鹿だよな
お前」

「喧嘩売ってんの?
守」