母親と高校生ぐらいの少女であった 損傷が激しいため、遺体は見ない方がいいのではないか と私は言ったが、やはり確認したいということであった その気持ちは分からないでもない 遺体に掛けられたシーツをめくって、私は霊安室の端っこまで下がった 母親の泣き叫ぶ声が、霊安室中に響いた 私はその間、ずっと顔を伏せている しかし、さっきから母親の娘らしき少女の鳴き声が聞こえない 悲しくないのだろうか?