おはよう。まず挨拶 これだよね…

「おはよう綾瀬…」

「お、おはよう匠」

うそ~。心の準備が出来てないのに いきなり現れないでよ…ちょっと どもったじゃないの!

「調子悪かったんだろ?大丈夫か?」

あれっ。何か…気のせい?匠がいつもより 優しい気がする…

「うん、もぅ大丈夫だよ。ありがとう。昨日ね 乃愛が心配して 家に来てくれたんだ。」

「水瀬が?あいつあれからお前ん家に行ったんだ…」

「昨日 匠 乃愛と二人でデートしたんだって?」

「デ、デート?ばかか?違う…ちょっと話したかっただけ…」

「へ~。そうなんだ。」

話 したかったんだ…乃愛と。
頭の中で このフレーズが回っている。

「綾瀬、やっぱ顔色悪いぞ。休憩室行くぞ…」

私の腕を掴んで 休憩室に連れて行く私の好きな人…匠は 私の気持ちわかってて 普通の態度が出来るんだ…

私は?匠から見ていつもと同じ態度なんだろうか?バレバレだったら スゴくいやだな…

「ほら、ここのソファーで 少し横になってろ!」

自販機に向かい ミネラルウォーターを買って 私に飲めと言う。

匠が優しい。優し過ぎる…

「おい、どうした?綾瀬どこか痛い?気分悪い?泣くなよ…」

匠が私を抱きしめ スゴく心配そうに 私を見ている…

どうしょう、どこも痛くない。いや、痛い所あった…心がスゴく痛い…

「匠…痛いよ。私痛くて耐えられない…」

「綾瀬、病院行こうか?こんな時、どうしたらいいんだ?」

「あのね、痛いの匠なら治せるかも?」

「それ教えろ、早く…」

「恥ずかしくて言えない。」

「早く言えよ。痛いんだろ?」

コンコンと戸を叩く音。乃愛が覗いて

「お取り込み中ごめんね…就業時間始まって、朝の朝礼始まるんだけど…わかった。私上手い事誤魔化すから、任せて!」

と言って 乃愛がバタバタと走って行った。

「おい、待てよ‼上手い事って何?」

「乃愛に任せて大丈夫だよ。私も何か…痛いの治まったし、匠心配してくれてありがと。」

さてと、ちょっとテンション上がった。
乃愛、絶妙なタイミングで入って来たわ。あれわざとじゃないあの子は やっぱ天然極めてる。そろそろ部署に戻って仕事しなきゃ!