あ~もう 考えるのが面倒になった俺は 綾瀬の手を繋ぎ オフィスを後にする

「ちょっと匠待ってよ。早いから…」

はっとして、少しゆっくりと歩く

「綾瀬が悪い…何だよあの男?ベタベタ触りやがってムカつく…」

あ、ヤバっ嫉妬丸出しだ、俺…

「何で匠が怒ってんの?匠早く来ないから、変なのに 捕まったじゃない…あの人 いつもしつこいの…」

ビルとビルの隙間に鈴音を引っ張り込み 綾瀬を俺とビルで挟んで ロックオン……

「彼氏の俺がいるから、行けないって言えよ…」

「何よ…私、匠の彼女になった覚えはないんだけど?」

「鈴音、俺と付き合うの嫌か?」

「……」

何だよ……黙るなよな……
強引に顎をクイッと上げ キスをした。鈴音の答えは知らない。俺が無理だ……

「もうお前は俺の彼女だから
拒否権はなし」

「…………」

返事はない。だけど声を出さないで泣いてる鈴音。俺はギュッと強く抱きしめて

「なぁ鈴音。俺を好きにさせといて無視は止めてくれ……」

鈴音が俺を見て 泣きながら聞く

「本当に?匠、私の事好き?」

泣き顔の鈴音が堪らなく可愛い……

「ああ……どんな鈴音も可愛く見えて困るほど好きだ。悪いか?」

鈴音は急に俺に抱きついて来た。顔が真っ赤みたいだ……あ~照れている鈴音レアだ。

「悪くない。私も匠が好きだから…」

ふわっとキスをして、一度離れて見つめ合う…次のキスは 俺の中で蜜の味しかしない甘いキスだった……