愛ちゃん…

それは英語の先生の名前…

谷原 愛

ちょっと小柄な先生…

「仲谷さーん」

ちょっと甘えた声で先生が言う。

「どおしたんっすか?」

仲谷は敬語口調で先生と話すんだ…

「この間なぁ、友達に『かっこいい人紹介して』って
言われたからとりあえず、仲谷さんと逢沢先生の名前出しといた。」

「まじですか?行きます行きます!」

ノリノリな仲谷に泣きそうになった…

たらし…

女好き…

誰が見ても一目瞭然なくらい

面食いな先生…

私なんて相手にするわけがない…

愛ちゃんはあまり好きぢゃなかった…

男癖が悪いことで有名だったから…

泣きそうになった私はばれたくなかったから

トイレに行こうと外へ出た。

ドアの向こうでは

愛ちゃんと仲谷先生が

向かい合って話してた。

「おぅ!」

いつものノリで仲谷先生が言う。

「さようなら」

私は、流れそうな涙を必死でこらえて

それだけ言うと、トイレへ走った。