「あれは完全にヤキモチだったよ。まぁ、私は普段から少し二人の仲を怪しんで見てたんだけど。やっぱりね、って感想かな」
「やっぱり、って?」
「だって今まで副社長が階の違う、うちの職場にまで顔を出すことなんて無かったのにさ。雪乃と仕事をするようになってから、よく顔をみせる様になってたし。雪乃だって、毎日楽しそうに仕事してたじゃない?」
佳乃に教えられ、思い返してみれば。
確かに最近の副社長の言動は、なんだかおかしかったけど。
「雪乃を連れ去った副社長に、思い切って連絡してみて正解だった。二人の仲が思っていた以上に進展してたんだから」
私の反応をみて楽しんでいる佳乃は、副社長と私が生活を共にしていることを、何か勘違いしているような目でニヤニヤしている。
「誤解だってば。私がこの部屋にお世話になっているのは、今回の仕事に生かす為で……」
「言い訳は結構! 連絡とった時に、二人は付き合っているんですか? って尋ねたら、副社長は否定しなかったわよ?」
「ちょっと待ってよ。私達、付き合ってないってば」
どう弁明しても、全く聞く耳を持たない佳乃に「何日も一緒に居たんだから、なにかあったでしょ?」と詰め寄られ。
ふと、副社長にキスをされた夢を見たことを思い出してしまった。



