・キミ以外欲しくない


作った夕食を子供の様にペロリと平らげてくれた副社長と、ラグの上に購入した荷物を広げ厳選する。
一目で気に入ったソファとカーテンに合うような雑貨を数点選び、残りは私が間借りしている部屋に並べた。

こうして眺めてみると、既にそこは私の好きなものが詰まった部屋に変わっている。
「もうずっと前から、ここに住んでいるみたい」と思ってしまう程に。


次の全体会議までの数日間は、時間を見つけて近くのショップ巡りをした。

少しずつ集まる雑貨を、毎晩副社長と選別し。
残った物は、一時置きだったはずの私の部屋から溢れ出し、徐々に色々な場所に進出していた。
バスルームにはバスグッズが置かれ、キッチンにはキッチングッズが揃えられていき。
玄関にトイレまで。
ありとあらゆる場所に、私の好きな物が並んでいるのを目にすると可笑しくて。
お互いを干渉しないと決めたルールなんて、初めからなかったみたい。


「ねぇ真司郎さん、ここがモデルルームみたいになっちゃったね」

「だな」


お互い顔を見合わせると、プッと噴き出して笑い合う。
こんな雰囲気も、くすぐったくて嬉しくて気持ちがいい。

いつの間にか、二人でいる時は自然と副社長を名前で呼んでいる私も自然体でイイ感じだし。
しっかり使い分けて呼べてしまうくらい、私の中では当たり前なことに変わっていた。