・キミ以外欲しくない


「持つよ」

「あれ? 追いかけて来てくれたんですか?」


運転して来て疲れてるんだから、車で待っていてくれてよかったのに。


なんて思っているけれど、本当は嬉しかった。
歩幅を合わせてくれて、肩を並べて歩き。
一日かけて買い物を一緒にしたことで、副社長との距離が縮まった気がするし。
なにより、楽しい一日だったから、もっと副社長と一緒に居たくなった。
少しでも長く傍に居たいと、思ってしまっていたから。


「後は何が欲しい?」

「そうですねぇ……」


今の私は、副社長が欲しい。
もっと一緒に居たいから。
傍に居てほしくて、もっと距離を縮めたくなってしまっているから。

なんてね、そんなこと言えないけど。


「明日の朝食のパンを選べば終わりです」

「OK」


マンションに戻り、私は一足先に部屋に向かい夕食の支度にとりかかる。
少し遅れて、両手いっぱいに荷物を抱えた副社長が、チャイムを鳴らした。


「おかえりなさい。お疲れ様でした」

「うん、ただいま」


帰宅後の挨拶だというのに、どちらともなく照れていて。
昨夜のキスが、夢でなければよかったのに。と思っていた。